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長谷見雄二先生講演会質問書に対する回答
去る12月4日開催された米沢支部主催の長谷見雄二先生講演会での質問書に対する先生からの回答が寄せられましたので、ここに掲載いたします。

【質問者】S,K 米沢市
【質問1】
(防火地域、準防火地域等)市街地にある小学校、中学校等の木造建築の展望と可能性について具体的に教えて下さい。
【答】
学校建築となると大規模になるので基本的に防火構造では不十分です。防火地域では耐火建築物としなければならないので、木造では困難ですが、準防火地域ならば、準耐火建築物とすれば良いことになります。木造による準耐火構造としては、すでに大断面集成木造、不燃被覆した大壁などがあります。伝統木造による準耐火構造は、現在、研究開発中です。学校などに使える仕様となるように研究を進めたいと思います。

【質問者】N,H 山形市
【質問1】木材の防火性能 に関する質問
前半の講義で木材の実験サンプルを多く見ましたが、木材の樹種は特定しているのでしょうか。また特定している場合その樹種をお聞きしたいのですが?
【答】
京町家ではスギが一般的ですが、実験では各種木材を使っています。スギは、燃え易い方なので、スギについて得られた防火性能は、他のほとんどの樹種にも成り立つと思います。防火構造等の告示では、特に樹種は特定していません。

【質問者】S,K 山形市
【質問1】土壁以外の塗り壁等の防火構造 に関する質問
今回の告示には土壁に限定した防火構造になっていたと思いますが、他の材料による防火構造の可能性はいかがでしょうか?他の塗り壁材料(モルタル等)、他の耐火断熱の材料、ロックウール等、先生のお考えをお聞かせ下さい。

【質問2】大規模木造の可能性 に関する質問
大規模木造の大断面木材を耐火構造に認定する話を聞いたことがありますが、木造耐火構造の可能性についてお聞かせ下さい。

【答】質問1に対して
モルタルであれば厚さ20mmを確保すれば防火構造となりますから、土壁よりも容易です。工業材料を使った防火構造壁については告示にかなり例があり、個別に認定を受けた製品もあります。

【答】質問2に対して
木造耐火構造は、すでに2x4協会が1時間の認定を取得していますが、大断面木材ではありません。また、集成木材に鉄骨の芯を入れたものなどについても、現在、認定取得に向けた取り組みがされています。また、これら、部材の一般認定を取得するのとは別に、体育館など、可燃物が少ない用途の大空間建築では、火災になっても小屋組等の部材まで火炎が届かないという性質を利用して、設計で「耐火建築物」とした事例があります。愛媛県武道館、あけのべドーム(兵庫県)などが好例です。

【質問者】S,M 山形市
【質問1】その他の木造建築物の防耐火性能 に関する質問
柱、梁のあらわしとなった木造準耐火建築物は可能ですか?無垢材の柱、梁に耐火性能を期待するには被覆をするしかないのでしょうか?
【答】
いわゆる燃え代設計による大断面集成木造では、準耐火建築物がすでに実現可能です。また、真壁でも、火災加熱で軸組の断面が減少しても構造耐力を保持できるようにすれば、原理的には準耐火建築物が可能なので、現在研究中の「伝統木造による準耐火建築物の開発」でもその可能性を追求したいと考えています。

【質問者】匿名希望
【質問1】
民家の再生ブームですが、解体して使用する場合の木材の性能も同じですか?
【答】
防火性能については、断面の欠損等がある場合はともかく、古材でもあまり変わらないと思います。

【質問者】匿名希望
【質問1】(4)に関する質問
昔からの町並みを生かした建物を再生、あるいは新築(新工法による)されれば、米沢市のまちも城下町として"まちづくり"をすすめられると思いますが、この工法は雪国にも強い(耐雪構造)建物を考えた場合一般的な在来工法よりコスト高とならないのでしょうか?コスト高の場合在来工法の何倍程度となるのでしょうか。(コスト高になることを想定して書きますが)
【答】
伝統木造、ということで、一般的な在来工法よりコスト高になることはあるかもしれませんが、防火に関する告示の内容はかなり簡単なので、防火性能を高めてもコストには目立って影響することはないと思います。

 社団法人 山形県建築士会
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